Google Stitchを触ってみた ── Vibe Designツールは「出口」で選ぶ

Google Stitchを触ってみた ── Vibe Designツールは「出口」で選ぶ

はじめに こんにちは。and factory フロントエンドエンジニアの坂内です。 前回はClaude Designを実案件で試した記事を書きました。ワイヤーフレームを作るならFigmaが候補に挙がりますが、普段はデザイン確認専用に使っていました。ディレクターへ共有するモックが必要になったとき、Figmaの使い方を調べながら進めるより手軽な方法を探していた、というのが前回の出発点です。 その後、同僚から「Google Stitchというツールがある」と教えてもらいました。同じくAIでUIを生成するツールですが、Googleが作っている点と無料で使える点が違います。前回とまったく同じお題を投げたら、出てくるものはどう変わるのか。 特にエンジニアとして受け取る側から見て、実装の手触りに差が出るのかを確かめたくなりました。それが今回の動機です。 調べ始めると、Stitch単体の話ではないと分かりました。v0・Lovable・Bolt.newといったツール群が「Vibe Design」という潮流を作っており、それぞれ狙っている領域が違います。この記事では、フロントエンドエンジニアとして「生成物を受け取る側」の視点から、Vibe Designツールの現在地と実務での使いどころを整理します。 注意: 本記事の内容は2026年7月時点の情報に基づいています。StitchはGoogle Labsの実験プロジェクトであり、機能・料金・UIの変更が頻繁に発生します。最新の情報は公式サイトを確認してください。 結論 先に持ち帰ってほしいポイントを3つに絞ります。 Vibe Designツールは「どれが最強か」ではなく「出口が何か」で選ぶ。デザイン案が欲しいのか、Reactコンポーネントが欲しいのか、動くアプリが欲しいのかで最適解が変わる Stitchはプロンプトをそのまま描かず、デザインシステムを立ててから解釈する。「ピンクのヘッダー」という指示が濃紺サイドバー + ピンクのアクセントに変換された理由が、生成されたDESIGN.mdに書かれていた DESIGN.mdによるDesign System as Codeの流れが本命。デザイン制約をMarkdownで記述してAIエージェントに読み込ませる発想は、デザイナーとエンジニアの連携そのものを変える可能性がある 「Vibe Design」とは何か 「Vibe Coding」という言葉を聞いたことがある方は多いはずです。元OpenAIのAndrej Karpathyが2025年初頭に提唱した概念で、コードの細部を自分で書かずに意図や雰囲気をAIへ伝えて生成させるスタイルを指します。 その波がデザイン領域にも来ました。Vibe Designとは、「こういう画面にしたい」という意図をプロンプトで伝え、レイアウト・配色・タイポグラフィまでAIに一括生成させる進め方です。ピクセル単位でUIを組み上げる従来の手順とは発想が異なります。 UX研究者のJakob Nielsenも、UIがハードコーディングされる時代から意図とコンテキストに基づいて生成される時代へ移行すると述べています。業界全体がその方向に動き始めています。 Vibe Designツールを「出口」で分類する ツールを比較するうえで最初に整理したいのが「出口」の違いです。何が手元に残るのかを揃えないと、比較がかみ合いません。 ツール 主な出口 バックエンド 主な対象 料金 Google Stitch UIデザイン案 + コード なし デザイナー・フロントエンドエンジニア 無料 v0 by Vercel Reactコンポーネント なし フロントエンドエンジニア 月額 $30〜 Lovable 動くフルスタックアプリ あり(Supabase) 非エンジニア〜フロントエンド 月額 $25〜 Bolt.new 動くフルスタックアプリ あり エンジニア寄り 有料プランあり Figma Make Figma上のインタラクション なし デザイナー Figmaプランに依存 大きく2カテゴリに分かれます。 ...

2026年7月28日 · 読了時間: 4分 · 坂内由梨
AIデザインツール「Claude Design」を実案件で試してみた

AIデザインツール「Claude Design」を実案件で試してみた ── ワイヤーフレームから仕様ドキュメントまで自動生成

はじめに こんにちは。and factory フロントエンドエンジニアの坂内です。 ワイヤーフレームを作るとなればFigmaが候補に挙がりますが、普段はデザイン確認専用に使っていました。いざ自分で作るとなると使い方を調べながら進める必要があり、「もっと手軽に作れないか」と思っていました。ちょうど機能追加でディレクターへ共有するためのモックが必要になったタイミングで、AnthropicのAIデザインツール「Claude Design」を見つけ、試してみました。 あくまでワイヤーやモック用途での活用として、「ディレクターやデザイナーと連携するフロントエンドエンジニアにとって、どう使えるか」という観点で使いみちを探りました。 注意: Claude Designはリサーチプレビュー段階のツールです。UIや機能仕様は今後変更される可能性があります。本記事の内容は2026年6月時点の情報に基づいており、最新の状況と異なる場合があります。 結論 先に持ち帰ってほしいポイントを3つに絞ります。 スクリーンショット+テキスト指示だけでデザイントーンに合ったワイヤーが生成できる(既存画面のピンク×サイドバー構成を再現) バリデーション・APIペイロードまで自発的に実装してくれるため、エンジニアへの引き継ぎ資料が副産物として得られる 「Claudeチャットで仕様を固めてからDesignに渡す」2段階フローが現実的。Claude Designは細かい修正の往復には向かない Claude Designとは Claude Designは2026年4月17日にAnthropicがリリースしたAIデザインツールです(Anthropic Labs製・リサーチプレビュー)。 claude.ai 内の専用ワークスペースとして動作し、左ペインのチャットで指示すると、右ペインのライブキャンバスへリアルタイムに反映される2画面構成が特徴です。なお、これは今回試したUIに基づく観察です。公式発表ではインラインコメント・直接編集・調整ノブなどのインタラクションが紹介されています。 項目 内容 リリース 2026年4月17日(Anthropic Labs製・リサーチプレビュー) 対象プラン Pro / Max / Team / Enterprise モデル Claude Opus 4.7(デフォルト) できること プロトタイプ・スライド・ワンページャー・HTML書き出し トークン 通常チャットとは別枠(プランにより異なる) アクセス方法 claude.ai にログイン後、左サイドバーの「Design」から起動できます。Pro / Max / Team / Enterpriseプランが対象です。 Notionコネクタを使う場合は事前設定が必要です。Settings → IntegrationsからNotionを接続しておくと、Design内でNotionのURLをそのまま渡して仕様ページを直接読み込めます。 実践:管理画面のワイヤーを作る 概要が掴めたところで、実際に試した内容を紹介します。 最初に渡したプロンプト 今回は自社サービスの管理画面に「施策管理ページ」を追加する想定でワイヤーを作成しました。最初のプロンプトはシンプルにしました。 1 2 3 4 5 6 7 XXXXXという管理画面の施策管理ページを作りたい。 - PC向け管理画面 - ピンク(#E91E8C)のヘッダー+左サイドバー構成 - 施策一覧テーブル(ID・施策名・開始日・終了日・URL・ステータス) - 詳細ボタン → モーダルで編集 - モーダル内はアコーディオンで項目を折りたたむ - ステータスは「下書き / 公開 / 非公開」の3種 これだけでClaude Designから10問のヒアリングが返ってきて、設計が始まりました。 ...

2026年6月9日 · 読了時間: 2分 · 坂内由梨